TITLE宇和島藩蔵屋敷長屋門の数奇な歴史②

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いつか行こうと思いつつ、そのままだったんですが、先月堺の方に行く機会があったので、ついでに寄ってみようと。場所は、堺市西区。

諏訪ノ森駅から歩いていくと

諏訪の森

諏訪ノ森駅もレトロ

工事現場を通りすぎ

工事中

「???」

 

「えーーーっ、ここ???」

 

まさに、取り壊しの真っ最中。。。

工事中2

警備員さんに話を聞くとマンションに建て替わるみたいとのこと。

遠くから見ると、なんとか長屋門は残ってそう。

警備員さんから現場監督さんに連絡をとって頂き、頼み込んで何とか中を見せてもらいました。

表1

 

表2

格子の細かな加工(後世の施工かもしれませんが)

格子

ずっしり重厚感があって、木目も綺麗に出てて、たぶん柱はケヤキ材。

柱

重厚

壊されて処分されると思うと残念でなりません。

 

 

個人的には、もちろんこのような古い建築物(特に今回は宇和島藩ゆかりのものだったので)は、残してほしいのですが、

・学術的な価値がない(もしくは証明できない)

・所有者が保存を望んでいない

・地元等から保存の声がない

などなど、客観的に考えて、保存の声がなければ所有者次第になってしまいます。

特に、個人所有の場合、メンテナンスや相続の問題があるので、外野が簡単に保存してとは言えないです。更に「文化財」になってしまうと、補助をもらう替わりに、リフォームなど現状の変更に行政の許可が必要になったりと、大変なことがたくさんあります。。。

 

建築を学んだ端くれです。

日本人の建築観は、「伝えようとするのは、そこに作られた物自体ではなくて、精神を担う形であり、物は結局精神を表すための手段である」と。

 

もちろん物には寿命があります。ただ一度、物(建築物)が無くなってしまうと、それを表現する技術だけでなく、目に見えない精神性も失われてしまいます。

何が大切で、なぜそれを残し、受け継ぐ必要があるのかを、私とかでも伝えていかないといけないなと思う一日でした。

 

思い立って、見に行こうと思い、最期の姿に立ち会えただけでもありがたい体験でした。

 

 

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